来週の日米株、注目10銘柄

対象期間:2026年9月28日(月)〜10月2日(金)

AIへの投資は、まだ続くのでしょうか。それとも、物価と金利が株価の勢いを止めるのでしょうか。

来週は、この問いに答える材料が相次ぎます。米国では9月30日に物価指標、10月2日に雇用統計が発表されます。日本では10月1日の日銀短観が、景気と金利の見方を左右しそうです。

注目したいのは、AI関連株を一括りにしないことです。半導体を作る企業、AIを顧客に届ける企業、データセンターを支える企業では、利益が生まれる場所が異なります。さらに金利が上がれば、銀行が選ばれる一方で、成長株には逆風が吹く可能性があります。

この二つの流れから、日米各5銘柄を見ていきます。

米国株:AIの熱気を、利益に変えられるか

① マイクロソフト(MSFT)|AIを「使う企業」に届ける本命

AI市場で問われているのは、技術の驚きから継続的な売上へ進めるかどうかです。マイクロソフトは企業向け製品にAI機能を組み込み、その答えを示せる立場にあります。新たなCopilot製品への期待が続けば、来週も資金を集める可能性があります。ただし、米長期金利がさらに上がる場合は、好材料があっても株価が伸び悩む点に注意します。

② アマゾン(AMZN)|AI競争を動かすクラウド基盤

新しいAIモデルが登場するたびに、それを企業が利用するためのクラウド基盤も必要になります。AWSでは新たなAIモデルの提供が進んでおり、AI需要の広がりを評価する際の候補です。一方、データセンターへの投資額も大きいため、市場が売上の伸びより投資負担に目を向ければ、株価の重荷になります。

③ ブロードコム(AVGO)|AI半導体の需要を業績で示す銘柄

AI投資が続くかを見極めるうえで、半導体企業の実績は欠かせません。ブロードコムは直近の決算でAI向け半導体売上の大幅な伸びを示しました。来週も半導体株が買われるなら、その理由を業績から説明しやすい銘柄です。ただし、好業績への期待がすでに株価へ反映されている可能性があり、急騰後の追い買いは慎重に判断したいところです。

④ JPモルガン・チェース(JPM)|金利上昇に備える銀行株

AI株だけで来週に臨むと、物価指標を受けて金利が上がった際に、保有銘柄が同じ方向へ動きかねません。JPモルガンは、金利環境の変化を考えるうえで注目したい大手銀行です。ただし、金利上昇が景気悪化への懸念を伴う場合は、貸倒れリスクにも目が向きます。金利が上がれば銀行株は必ず上がる、とは考えないことが重要です。

⑤ マイクロン・テクノロジー(MU)|決算が来週の分岐点

9月30日に決算発表を予定しています。AI向けメモリーの需要だけでなく、次の四半期について経営陣が何を語るかが焦点です。強い見通しが示されれば半導体株全体を後押しする可能性があります。反対に、期待に届かなければ売りが大きくなることもあります。発表前から上昇を決めつけず、決算を見て評価する銘柄です。

日本株:半導体だけでなく、金利と社会インフラを見る

① 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)|日銀短観を受けた金利の主役

国内金利の上昇を考えるうえで、まず注目したいのが銀行です。10月1日の日銀短観を受けて、金利正常化への見方が強まるなら、三菱UFJには買いが向かう可能性があります。ただし、金利の急上昇が景気や保有債券への不安を強める場合は逆風です。短観の数字そのものに加え、発表後の債券市場の反応を確認します。

② 東京エレクトロン(8035)|米国のAI投資を映す日本株

米半導体株が強さを保つなら、日本で注目されるのは半導体製造装置です。東京エレクトロンは日経平均への影響も大きく、AI投資への期待が日本株に波及する場面で中心となる候補です。もっとも、前週までの上昇を踏まえると、週明けに高く始まった株価を追うより、米国市場の動きと併せて見極めたい銘柄です。

③ 富士通(6702)|AIを社会で使う段階に進める企業

AIへの投資先は、半導体だけではありません。富士通は国内企業向けのAI活用に加え、サイバー防御や国産の計算基盤に関する取り組みを発表しています。半導体株への買いが一服した際、AIの実用化に資金が向かうなら注目される可能性があります。ただし、発表した取り組みが業績に結びつくまでには時間を要するため、短期の値上がりを前提にはできません。

④ 日立製作所(6501)|AIを動かす「電力と設備」

AIが広がるほど、データセンターを安定して動かす電力や設備が必要になります。日立はエネルギー事業に加え、データセンターの運用を支える事業も展開しています。半導体の次に「AIを動かす社会インフラ」へ投資家の関心が広がるかを見る銘柄です。一方、事業が多岐にわたるため、AI関連の話題だけで株価が動くとは限りません。

⑤ トヨタ自動車(7203)|AI株以外の資金の行き先

来週の日本株を半導体だけで捉えないために、為替にも目を向けます。円安基調が続けば、輸出企業であるトヨタには業績への期待が向かいます。発表済みの自社株買いも材料です。ただし、円高への反転や原油高は見方を変える要因になります。週明けの為替を確認したうえで評価したい銘柄です。

来週、投資家が見るべき順番

まず28日は、日米の金利と為替を確認します。 日本株では9月29日の配当権利落ちに伴う株価調整にも注意が必要です。

30日は、米国の物価指標とマイクロンの決算を見ます。 物価が金利を押し上げるのか、AI向け需要が半導体株を支えるのか。この二つの結果が、週後半の物色を変える可能性があります。

10月1日の日銀短観、2日の米雇用統計まで見届けます。 発表前に10銘柄すべての上昇を予想するより、結果を受けて資金がどの業種へ向かったかを確認することが大切です。

来週の主題は、「AIが強いか、金利が強いか」ではありません。AIへの期待が続く市場で、金利の変化に耐えながら利益を伸ばせる企業はどこか。 その答えを、日米の指標と企業の発表から探る一週間になりそうです。

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